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2016年12月13日

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【相続コラム 2016.12】司法書士藤井真司事務所 発行

タイトル

 

こんにちは。司法書士の藤井です。一年の内で何かと忙しい季節がやってきました。今年は、厳冬の予報が出ていますがどうなるのでしょうか。暑さ寒さがはっきりとした一年は、季節物の売れ行きが良いそうで、経済が立ち直るきっかけになるといいですね。その分、仕事が忙しくなるので、生活も慌ただしくなってしまいます。そんな中ではゆっくり考える時間を作るのは難しいかもしれません。しかし、ほんのちょっとだけでもいいですから、立ち止まって考えてみませんか。まずは考える種を撒きましょう。それが、新年の頃に芽が出てくるかもしれません。その考える種とは、広い意味の「相続」のことです。漠然とでいいですから、考えてみませんか・・・世代を超えた未来のことを。

 

見出し

 

今回の相談者は田中光江さん(仮名)。光江さんは、市内に家を持ち、長年連れ添った旦那さんの秀夫さん(仮名)と二人で暮らしていました。二人の間には子供はなく、駆け落ち同然で結婚したので、どちらの親戚にもお付き合いがありませんでした。そんなある日、秀夫さんが心臓発作で突然他界したのです。光江さんは一人っきりに・・・。秀夫さんの財産と言えば、自宅の土地と建物だけなのですが、わずか40坪の土地とはいえ、金額にすれば3000万円、家と含めて約5000万円の遺産でした。光江さんは、当然その自宅をそのまま相続できるものと考えていました。
「四十九日も過ぎて、相続手続きのための戸籍を取り寄せてみたら、秀夫さんには6人の兄弟姉妹がいることが分かりました。でも、音信不通でどこにいるかもわかりません。このままでは、土地と家の相続が出来ないと言われ・・・いったいどうしたらいいのでしょうか。」との相談でした。
確かに、光江さんにとっては厄介な事態になっています。子供がいない場合は、配偶者に4分の3、兄弟姉妹に4分の1の法定相続分があります。そして、もし、この自宅を光江さんのものにするには、遺産分割協議書をつくり、相続人全員にハンコをもらわなければなりません。しかし、疎遠な親戚から「ハンコ押してください」と言われて、簡単に押す人がいるでしょうか。今回の光江さんの場合は、兄弟姉妹を探すところから始まりましたが、中には「相続分があるなら、お金を下さい。そしたらハンコを押します」という人も出てきました。旦那さんが亡くなった今、年金暮らしの光江さんにその支払える余裕はありません。そこで家を売却しようと考えても、それでも全員のハンコが必要とのことで、解決までに長い年月がかかったのでした。
しかし、この場合は、亡くなった夫の秀夫さんがたった一言「妻にすべての財産を相続させる」と遺言書を遺しておけばすべて防げたものでした。長年連れ添った家族を悲しませないためにも準備はしておきたいものですね。
まずは、私たち専門家に相談いただければ、一緒に解決策を考えて、いざという時に困らない対応をとることができます。

 

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