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2017年5月31日

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【相続コラム 2017.5】司法書士藤井真司事務所 発行

タイトル

新緑の季節となりました。周りの木々は、柔らかい緑を芽吹き、何かこうフレッシュな気持ちを起こさせますね。そして、夏に向けて勢いよく伸びる様は、日々の生活の中で勢いをつけさせてくれそうです。
何の変哲もない季節の移り変わりのようですが、まったく同じ時間はやってこないことも事実・・・そして、世代をつないで次の季節がやってきます。そのつなぎ目こそが相続ではないでしょうか。
流れ去る時間の中で、相続をちょっとだけ考えてみませんか・・・

見出し

今日の相談者は、桜木京子さん(仮名・58歳)です。3か月ほど前にお父様が他界されて、その亡くなる直前で言われたことで、当事務所を訪問されました。それは、お父様から他に姉がいることを告げられたというのです。相続する不動産といくらかの預金がありますが、それをどうしたらいいのかということでした。初めて耳にする異母兄弟に不安がいっぱいというお顔でした。すぐに戸籍等を取り寄せて相続人を調べますと、確かに前妻との間に子供さんがいらっしゃいました。しかも、住んでいるところは桜木さんの近所なのです。さっそくそのことを桜木さんに告げると、すぐにそのお姉さんのもとに会いに行かれました。そこで、父親が亡くなったことや相続の件をお話になると、なんとその方はこう言われたのです。「お家に行ってお悔やみを言わせて下さい。そして、その時に必要な書類を準備しますので、すぐに手続きをしましょう。」と・・・私は、桜木さんからその連絡をもらってすぐに必要な書類を準備して渡しました。
その数日後、依頼者は書類をもって私のもとに・・・相続による不動産の登記手続きは無事に終わり、不動産は桜木さんの名義になりました。そこで、権利書を渡す時に言われた言葉が感動的です。「今度のことで新たに分かったお姉さんより『今まで姉妹がいなくて寂しかったけど、ここにきて素晴らしい妹がいることが分かりました。これから姉妹として仲良く付き合っていきましょう』と言われたんです。父親がつないだ絆ですね。大切にしていきたいと思います。」なんという姉妹愛なのでしょう。お父様の生前の行いが目に浮かぶようです。
このような事は、数多くあるわけではありません。多くは遺産の分け前についてどうするかに関心が強く、今後のお付き合いまで気が回らないことが普通でしょう。あるいは、今までの人間関係に拘るあまり、新たな人間関係を構築するのが難しいと考えるでしょう。しかし、これは、遺言ではありませんが、父親が亡くなる前にちゃんと話したことが・・・想いを伝えたことが、その後の感動的な人間関係を作ったと思います。話して伝えることは、そのタイミングが難しいですが、遺言書にしたためることは比較的容易かもしれません。是非、想いを伝えてみませんか。

ここでちょっと豆知識