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2017年8月10日

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【相続コラム 2017.8】司法書士藤井真司事務所 発行

タイトル

今年は、九州北部は朝倉市と東峰村、それから日田市とその周辺にまで大きな被害を与えた集中豪雨がありました。災害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。暑い日が続きますが、復旧・復興に頑張っておられるボランティアの方々を含む関係者の皆様には、くれぐれもお体に気を付けて、被災地が一刻も早く復旧しますことをお祈り申し上げます。
8月と言えば、お盆で亡きご先祖さんを偲んで過ごす日があります。こういう時に、自分自身の亡き後を考えてみるのもいいかと思います。どんな来世を望んでいるかを考えて、紙にしたためてみると・・・それが、遺言の原案になるのではないでしょうか。

見出し
今回の相談者は、米本 寿さん(仮名)70歳。寿さんはもともと一人っ子で、両親はずいぶん前に他界。長年連れ添ってきた妻の喜久子さんも先日亡くなって、子供もいないので、本当に天涯孤独の一人になってしまいました。近所に遠縁の親戚は住んでいて交流はあるものの、もし寿さんに万が一のことが起きれば、相続人は誰もいないことに・・。「もう一人だし、自分が死んだときのことはあまり考えていなかったんですが・・先日、うちの近所の85歳の女性が亡くなって一億の遺産が、遺言書を残しておかなかったために、国庫に納められたと聞いて・・もうビックリで。財産が国のものになるなんて嫌だ。せめて自分によくしてくれた方に譲りたいけど、できますか」とのこと。たしかに、相続人がいない場合、特別縁故者(※)もいなければ、遺産は国のものになってしまいます。せっかく築いてきたものが淡々と処理され、あまり親しくなかった方や国に渡ってしまうのです!それならば、生前お世話になった方へ差し上げたいと思うのが人情ですよね。そこで、私は、米本さんに公正証書による遺言書の作成を勧めました。相続人がいないか、居ても縁が遠い場合は、遺言書による処分が一番スムーズであろうと考えたからです。米本さんは早速この手続きをして、安心して生活されています。
このように、“特別世話になった人に寄贈したい”とか、“お寺や教会、社会福祉関係の団体に寄付したい”など思われる場合にはその旨の遺言を残しておくことが大切です。遺言書は何度でも書きなおしができるため、自分の人生を振り返る時間があるときにこそ、想いを整理してはいかがでしょうか。
※特別縁故者とは、亡くなった方の財産を何らかの縁故関係のある人に取得させるのが望ましいという観点から作られた制度で、次のような方がそれに該当します。○ 被相続人と生計を同じくしていた者 ○ 被相続人の療養看護に努めた者 ○ その他被相続人と特別な縁故があった者 ただし、特別縁故者として認められるのは、とても難しいのが実情です。

ここでちょっと豆知識