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2018年6月18日

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【相続コラム 2018.6】司法書士藤井真司事務所 発行

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毎年くる梅雨はジメジメして、蒸し暑いので体調管理が難しい季節ですね。しかし、福岡は雨の日が十分にないと夏になって水が不足する事態にもなりやすい都市ですので、この時期に十分に雨が降ると、安心して夏から以降を過ごせます。去年に比べると今年はすごく早い梅雨入りでした。ここ福岡では梅雨の時期に一年間の3割程度の雨が降るのが普通だそうです。どうか「適量に」雨が降りますように・・・

見出し
遺言作成をお勧めする場合の第三回目です。
【2回以上結婚し、離婚した相手との間に子供がいる場合】
亡くなった人が複数回の結婚をしていて、その離婚相手との間に子供がいる場合は、その子供全員が相続人になります。現在の相手(配偶者)との子供だけではないんです。そして、その子供全員は法律上は均等に持分があることになります。即ち、被相続人の財産は配偶者が2分の1で、残りの2分の1を子供全員の頭数で割ることになるのです。もし、その子供の中に死んでいる方がいたとしても、その子供の子供に相続することになり、子供以下の孫・曾孫・玄孫・・・(直系卑属といいます)まで相続権はずっと受け継がれます。これを代襲相続といいます。いわば、子供の相続権は結構強く守られていると言えます。
実際に私が受けた事例では、夫が亡くなったので自宅の名義を妻である自分に変えてほしいというものでした。話を聞いてみると、妻である自分とその子供2人が相続人であるとの説明を受けていました。そこで、被相続人である夫の戸籍を出生から死亡まで取得してみると・・・なんと、夫は2回結婚していたのです。そして、最初の結婚で子供が1人いることが分かりました。この事情を説明し、今回は依頼者である被相続人の妻とその子供2人それから前妻の子供1人が相続人となり、自宅の名義を妻にするには、遺産分割協議書に相続人全員の署名押印が必要ですと言って、妻の子供は話を聞いているので問題ないのですが、前妻の子供が承諾しないことには手続きが前に進みませんとして、依頼者に前妻の子供と事前に話し合うようにアドバイスしました。
依頼者は、暫くした後、前妻の子供に連絡をとって、事情を説明し、遺産分割協議書の作成に協力してくれるとの内諾をもらったと私に言ってきたので、さっそく遺産分割協議書を作成し依頼者にお渡ししました。それからかなりの時間が経ったある日、依頼者から連絡があったのです。電話で話をしたときは協力的だった前妻の子供が、いざ遺産分割協議書を目の前にして、翻意したのか、署名捺印を拒んだとのことでした。確かに、この協議書に押印した後は、前妻の子供は依頼者の子供のように次の相続権がありません。今回の件で被相続人の遺産の一部でももらっておかないと、次の相続(配偶者が亡くなった時)での相続権はありません。たぶん、そのあたりが理由ではないかと思われますが、前妻の子供から相続分の請求は一切なかったといいます。その後数年経ちましたが、その依頼者から進展があったことの連絡はありませんので結末はわかりません。
この場合に遺言書があれば、遺留分は請求されるかもしれませんが、自宅の名義は妻のものになっていたでしょう。全体の手続きは比較的スムーズに終わったと考えられます。該当する方は是非専門家にご相談ください。

ここでちょっと豆知識