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2020年10月5日

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【相続コラム 2020.10】司法書士藤井真司事務所 発行

タイトル

今年は梅雨が長かったからか夏が短く残暑も厳しい日が少なかったように感じます。秋も近づいてくるのが日々分かる季節になりました。寒暖差が大きくなっていますので、いまだ続く新型コロナウイルス感染症や毎年恒例のインフルエンザにも気を付けつつ、体調管理を万全にしましょう。そして、ある程度は自由に外に出られるようになったので、この過ごしやすい秋を少しでも感じるようにしたいものです。
私たちは、不動産に関する所有権やその他の権利や義務の相続による承継を、きちんと登記することによって、様々な権利を守ることを仕事にしています。しかし、亡くなった人から受け継ぐものは、不動産ばかりではありません。もっと色々な財産があります。好むと好まざるとに拘らず、この世にある一身専属しない権利はほとんど相続人が受け継ぐことになります。そして、受け継ぐものは財産(負の財産も含みます。)だけではないことを、しっかりと考えたとき、亡くなった方が受け継いでもらいたいものは何なのかをちゃんと考えたとき、遺産相続についてより良い答えが出るような気がしています。そんなことを考えていると、遺言によって、受け継いでもらいたいものをはっきりと示すことで、遺された人は、遺産相続に迷いや争いが少なくなるのではないかと・・・秋の夜長にしみじみ思う今日この頃でした。

 

見出し

私はお客様より依頼を受けて遺言書の作成について支援及び助言をすることがよくあります。お客様には、現在所有する財産にだけ注目して、他のことに気が回らないか、或いは遺言書には書くものではないと考えている方が多くいます。それで、「この不動産は、長男〇〇に相続させる。預金は相続人全員で均等に分ける。等々」の遺産をどう分けるかという内容で終わることが多いです。相続人間に何の問題もない場合や、遺言の内容を伝えている場合はそれでいいでしょう。しかし、本人から見れば何の問題もない相続人(特に子供さん達)に見えても、心の奥底には、親でも分からない感情を秘めている場合があるのです。親の前では、特に心配をかけさせないように、その感情をぐっと堪えていらっしゃる方もいるでしょう。また、相続財産についても、死んだときにある財産だけだと考えている方が多いようですが、実際は相続人に対して本人が生きているときに与えた財産も含みます。これは、特別に与えた財産のことで、日常の食費や生活費を言っているのではなく、特に高額な学費とか結婚の際や子供の家の建築の際に特別に与えた金銭その他の財産のことです。これも全部含めたところで、死亡時の財産と合わせて、相続財産と考えるのです。
本人がいくら納得しても、相続人には納得できない場合もあるのです。そこで、効果を発揮するのが付言事項となります。そこには本人の想いが遺されているので、場合によっては、個別に渡した特別な財産のことをしっかりと書き込むことで、本人の死後、相続人間で争わないでいいように書いておくのです。きちんと書いておけば、相続人間での疑心暗鬼が無くなり、本人の遺志も伝わることで、スムーズな相続が行われることが多いことを、私は経験上知っています。それから、遺言書はどんな形にしても、本人がしっかりしている内に作成することが大事です。特に付言事項は、本人の気持ちが入る文章ですから・・・。
ただ、その内容をどのように書くかというと、ある程度法律に沿った内容でないと効果が下がるので、専門家に相談するのがいいと思います。

 

ここでちょっと豆知識