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2020年6月9日

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【相続コラム 2020.6】司法書士藤井真司事務所 発行

タイトル

今年は新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナと言います。)のパンデミック(世界的流行)により、いつもの梅雨とは違う感じがします。気候は相変わらず温暖化を示すように暑い日が増えて、局地的な大雨も降っているようです。大雨などの被害が生じると避難所の生活が余儀なくされることになりますが、そこでも新型コロナの対策を講じなくてはならなくなっています。また、一旦収まった様に見える新型コロナも第二波そして第三波がやってくるとの予想もあります。病院の患者受け入れの許容量も新型コロナ対策で十分とは言えないところもありますので、今の時期は体調維持が難しいですが、なるべく健康に過ごすようにして乗り切りましょう。

 

見出し

遺言を作成したいとご依頼については、私はお客様に合わせた対応を心がけています。例えば、ゆっくりしたご連絡をするお客様であれば、お客様のペースに合わせてこちらも急かすことなく対応します。そんなタイプだと感じていた亀田さん(仮名)から、ある時慌てて電話を頂きました。「珍しいこともあるものだ」と思いながら、お話しをさせて頂くと、どうも遺言を作成する母親の様子がおかしいというのです。以前からごく軽い認知症があったのですが、日常会話は勿論、多少難しいお話しでも不自由なく会話ができ、問題はなかったはずの母親の調子が変であるとおっしゃるのです。当初、私が「認知症だけでは遺言作成は問題はないが、会話が滞ったら危険信号ですよ」と言っていた事を思い出して、遺言作成を急がないといけない!と思われたようでした。高齢者の中には病院や施設に入り環境が変わってくると認知症が急速に進む方を今までに何人も見てきましたが、亀田さんのお母様もそのタイプのようでした。
事は急ぐ必要がありました。しかし、間が悪いことに新型コロナウィルス感染症が流行っていて最近では病院や施設は親族でも面会を厳しく規制しているのです。家族でもない公証人をはじめ数人が施設内に入ることは施設側から拒否されることが多い時代となっているのです。普段、のんびりしている亀田さんもこの時ばかりはと必死で施設に頼み込み、何とか短時間ならとOKを貰いました。
当日は公証人を始め初訪問の数人がロックのかかったドアを入り、体温検査とアルコール消毒とそれらの記録を義務化されやっと玄関のとなりのスペースで遺言作成となりました。かなりのハイスピードで作成してそそくさと退出してきました。実際、お母様はかなり弱ってきているご様子でしたが、幸いなことに遺言作成はできたので亀田さんもほっとされていました。
この事例でも分かるとおりに高齢者の認知症は時として恐ろしい早さで進行していくことがあるので遺言を検討されている方は時間を置かずに行動されることをお勧めいたします。加えて、新型コロナウィルス感染症の流行により病院や施設で公正証書遺言を作成する場面は以前と違ってとても厳しくなっていることも心に留めといて頂き、早めに作成されることが一番大切なご時世になっていることもお忘れなくお願いします!

 

ここでちょっと豆知識