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2020年8月11日

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【相続コラム 2020.8】司法書士藤井真司事務所 発行

タイトル

今年の九州北部は梅雨がなかなか明けず、例年なら先月中旬にでも明けるのに先月一杯かかってしまいました。そのためか、各地で洪水などの浸水被害が出ているようです。特に九州南部は酷くて、熊本県南部の人吉市を流れる球磨川が氾濫してたくさんの人が被害に遭いました。東シナ海の海水温の上昇…いわば温暖化…が要因の一つと言われていますが、ここ数年は毎年、日本のどこかでこの時期になると洪水被害があるようです。皆さんもその辺を十分に注意して生活していくことと、今年はさらに新型コロナウイルスが流行っているようですので、合わせて健康に留意してお過ごしください。毎年のことですが真夏の気温もかなり厳しいものになるようですので熱中症にも気をつけましょう。
今月はお盆があり、先祖を慰霊する行事が各地で行われると思いますが、新型コロナウイルスのことで、その方法にちょっと工夫が必要になることでしょう。しかし、その趣旨や気持ちについては変わらないと考えます。過去という先祖を現在の私たちがその方たちに想いをはせるとき、ちょっとだけ未来についても考えてみませんか。それが、現在の私が、遺され未来の子供等に想いを寄せること…これが相続だと考えます。お盆はこのいい機会だと思いますので是非未来に目を向けてください。

 

見出し

遺言書は、故人の遺志をはっきりさせるとても良い制度だと思います。しかし、書面にしたためることがすべてではありません。その事を物語る事件を紹介したいと思います。

ある時、事務所の電話が鳴り、佐々木和美さん(仮名・78歳)からご主人が亡くなったので相続登記のご依頼がありました。事務所に来ていただいて、佐々木さんの持ってきた戸籍を見せてもらうと、なんと前妻との間に子供がいるのです。このことを知っていましたかと私は聞きました。すると、佐々木さんは、「はい、主人が亡くなる直前に詳しく話してくれました。『実はお前に伝えていない私の子供がいる。しかし、ちゃんと協力してくれるから…』と」そこで、私はまずはその子供さんと連絡を取ることを勧めました。それで、佐々木さんはすぐにその会ったこともないご主人の子供さんの家に行きました。ご主人の亡くなったことや死ぬ間際の話等を伝えると、なんとその人は初対面にもかかわらず暖かく迎え入れ、かつ佐々木さんの提案を快く受け入れてくれたのです。また、自分は一人っ子だと思っていたが、新たに兄弟姉妹がいることが分かって嬉しいとも言ってくれたと…佐々木さんはその後に私に話してくれました。
早速、相続登記の手続きを始めて、何の支障もなくすぐに登記が完了しました。これは、亡くなる直前にご主人がきちんと奥さんに事実を話して、それが遺言となって相手に伝わったものだと思います。しかし、書面にしていない場合は難しい局面もあると考えられるので、出来ればきちんと遺言書として書面にする方がいいことは言うまでもありませんが、このように遺言によって素晴らしい遺志が実現できることもあるというお話でした。

 

ここでちょっと豆知識