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2021年4月13日

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【相続コラム 2021.4】司法書士藤井真司事務所 発行

タイトル

去年に引き続き、今年も世界中で新型コロナウイルス感染症が流行しています。去年はこのウイルスのことが分からないのでいろいろと予定されている行事もほとんど中止になってしまいましたが、今年は対処できることが少しだけ分かったことで、感染症対策を施したうえで開催するようです。オリンピックも聖火リレーも行われており、開催する方向で動き出しています。桜の花も早くから満開になってしまったので今月は花見も終わっています。一年以上も自粛生活が続いており、我慢の限界が来ている人もいるでしょうが、まだまだこの忍耐の生活は続きそうです。ワクチン接種も始まっていますが、全員に十分にその効果が行き渡るにはまだまだ時間がかかりそうですし、このウイルスの変異株の様子も気になるところです。個々人がしっかりとこの感染症に対して対策をとり、それを日常に変えていかないと、このコロナ禍は乗り切れないのではないでしょうか。
さて、常日頃は“相続について考える”ことはないと思いますが、突然、相続人になる場合があります。それは親が死んでしまうだけでなく、兄弟や伯父さん伯母さんが亡くなった場合でもその可能性はあるのです。最近は子供がいない人や相続を放棄することなどで相続する人のすそ野が広がっているように思います。突然の”相続”に慌てないようにしましょう。当事務所の経験談から皆様に役に立つ場面があれば幸いです。

 

見出し

鈴木太郎さん(35歳・仮名)のご相談を例にします。その内容は、疎遠である伯父さんが亡くなったが、相続人だから貸してあるお金を払ってほしいと債権者の通知が来たとのこと。なんでも、伯父さんの奥さんと子供全員が相続放棄したので、次の相続人に請求していると説明しているが、どういうことか分からないのと、この請求に応じなければならないのかどうかのご相談でした。詳細は、伯父さんは1年ほど前に亡くなって、その奥さんと子供が3人いて元気だとのこと。鈴木さんのお父さんは3年前に亡くなっており、お父さんの兄弟はその伯父さん以外はいないとのこと。伯父さんとは10年以上付き合いもなく、現在はどこに住んでいるのかも知らなかったとのことでした。現状は債権者の通知にあるように、伯父さんの相続人である配偶者及びその子が全員相続放棄をしたので、その次は伯父さんの父母(直系尊属といいます。)に相続権が移り、その方々も亡くなったり相続放棄をしてしまうと、更に次の相続順位である兄弟姉妹かその兄弟姉妹が亡くなっている場合はその子に相続権が移ることを説明しました。今回の場合は、鈴木さんの父方の祖父母も亡くなっていらっしゃったので、お父さんの代襲相続人として鈴木さんに請求が来ていると考えられます。相続人に債権者の請求する金額を支払う義務が継承されているので支払い義務はあることを説明し、それを避けるために相続放棄をすることをお勧めしました。そこで、気をつけなければならないのは、自分が相続放棄をするだけでは、他の相続人である鈴木さんの兄弟姉妹に請求されることです。従って、鈴木さんに他のご兄弟のことを伺うと妹さんがいらっしゃるとのこと。そこで、当事務所の提案は、鈴木さんと妹さんお二人で、家庭裁判所に相続放棄の手続きをされることをお勧めしました。
このように、最近では家族の人間関係が希薄になっているようで、後の人に迷惑がかかることを考えずに相続を放棄する事例が増えているようです。相続を放棄する場合は、出来れば後の相続人に連絡して行うとトラブルがなくて良いと思います。

 

ここでちょっと豆知識