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2017年4月4日
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【相続コラム 2017.4】司法書士藤井真司事務所 発行
新年度の始まる4月ですね。今年は桜の開花が去年より遅いのか、4月の入学式には、もしかしたら丁度いい頃合いなるこもしれません。それよりも、東京では福岡より早く満開とのこと。桜の咲く時期も、場所によって年々違うんですね。新しいことが始まるということでは、相続もそのように考えられます。お亡くなりになった方から相続人へ色々なものが移ってゆく様は、例えば3月に卒業、4月に入学する学業の移り変わりにも似ています。相続はどなたにも起こる問題です。なぜなら、両親から生まれてきて、自分の子供を授かり、そして死んでゆくという逃れられないサイクルがあるから、すべての人に起こることなのです。確かに、相続を財産にのみスポットを当ててしまうと、関係ない人が出てくるかもしれませんが、実際は財産だけでなく、もっと大きな意味で考え、亡くなった方の想いも相続出来ると素晴らしいと思います。誰でも、いつか誰かの大切なものを受け継ぎ、そして、自分の大切な何かを誰かに引き継いでもらう日は、必ずやってくることを・・・・
今回の相談者は、平田和恵さん(仮名・75歳)です。和恵さんのお兄さんである平田徹さん(仮名・享年80歳)が亡くなったことによる相続手続きのことで当事務所にいらっしゃいました。徹さんは、介護施設で亡くなりましたが、その徹さんが亡くなるまで、長期間にわたりお世話していたのが妹の和恵さんというわけです。
そこで、当事務所への相談というのは、徹さんの遺産(預金と不動産)を全て和恵さんが相続したいということでした。徹さんは生涯独身で、子供がいませんでした。当然徹さんの両親も亡くなっていましたので、兄弟姉妹相続ということになります。徹さんの相続人であるご兄弟は、和恵さんの他に末妹の幸子さんと長兄の哲也さんがいるのですが、哲也さんは早くに亡くなっており、その子供が一人、姪の久美さんがいます。ただし、久美さんとは久しく交流がないとのことでした。和恵さんに遺言書について尋ねると、遺言書は作成していないとして、相続人全員による遺産分割にて、和恵さんに遺産の全部を相続させることにしました。この時に和恵さんには各相続人に事情を話して、納得してもらうようにと申し上げました。
しかし、妹の幸子さんは快く応じてくれたのですが、姪の久美さんがどうしても納得してもらえません。結局、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることにして、一年を要しましたが、久美さんにある程度の現金を渡すことで、相続することが出来ました。これは、結果的に相続できたからいいのですが、たくさんの相続人が現れる事案もあります。そうなると、遺産分割そのものが難しくなったり、分配するための費用が多額にかかる場合もあり、現実的には相続できない場合もあります。
遺産分割協議には、相続人全員の協力が必要です。一人でも異議を述べるとできなくなります。兄弟姉妹相続については、どうしても被相続人と縁遠い人も含まれることが多いので、どうしてもスムーズに解決しません。一人が権利主張をすると全員が・・・となって、最後は裁判所の力を借りなければならなくなります。
もし、徹さんが遺言書を作っていれば、スムーズに相続手続きができました。兄弟姉妹相続には、遺留分がないので、遺言書通りの分配がしやすいのです。兄弟姉妹の相続になりそうなときで、死んだ後に譲りたい人がいる場合は、遺言書を作成することが賢明だと思います。
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